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太公望の聖地
それは3月のお彼岸の頃のことでした。
桜の花が咲く、知る人ぞ知る美しい水辺の風景があるという・・・
そんな話を聞いたのです。こうなると居ても立ってもおれません。
またまた自転車にとび乗り、小さな探検へと出かけました。

c0048685_2011125.jpg近くに立つ看板。
釣り人たちには
よく知られた
場所のようです。


チョロチョロと流れる用水路の上方がその場所でしょうか。
道の脇に自転車を止め、斜面を登っていくと、
鏡のような水面に木々の影が落ちる堰(せき)が現れました。

c0048685_20505996.jpg堰の脇に咲く桜。(大島桜?)
ひとえのまっ白な花びらが
青空に凛と映えています。

池の周りを半周してみると、
細い水路が見えてきました。
上にはまだ何かありそう‥‥

よーし、たどってみよう。

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予想どおり、水路を辿っていくと第2の堰が現れました。
最初の堰より規模は大きく、けっこう奥まで続いているようです。
水辺に沿って伸びる小道を、右周りに歩いて行くことにしました。

c0048685_1958242.jpg細い水の流れに架かる、
生木でこしらえた小さな橋。
少しグラつくその上を慎重に
渡り、奥へと進みます。

道を遮るように倒れた木々を、
人が通れるだけの幅に切って
トンネル状にした箇所も
ありました。

これぞ本来のアスレチック!?
なんて思いつつ、泥を踏みしめ
幹に手を掛けくぐり抜けます。
さらに奥へ進み、斜面を登ると
小さな第3の堰もありました。


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水辺へ張り出すように傾いて、
水面スレスレに伸ばした枝に花を咲かせている桜。
第2の堰には、このような倒木が多く見受けられました。

こういった倒木の影は、魚たちの絶好のすみかであるはず。
そう思って水中に目を凝らすと、やはりそれらの影の下に
20センチくらいの魚影が揺れているのを確認できました。

姿形から察するに、どうやらヘラブナではなさそう。
ひなたぼっこでも楽しむかのようにゆっくり泳いでいましたが
人の気配を察するや否や、あわてて深みに消えていきました。

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「ここのヘラブナもずいぶん少なくなってしまったよ。
 ブラック・バスが入ってしまったからね・・・」
と、小さな足場に座りこんで釣り竿を伸ばしているおじさん。

一方、向かいの岸に立つジャージ姿の少年は、巧みにルアーを
操ってそのブラック・バスの方に狙いを定めているようでした。
外来魚は釣り人の生態系をも変えつつあるのかもしれません。

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水面に少しせり出すようにして作られたヘラブナ釣りの足場。
大人が1人座るのがやっと、という小ささです。
道具箱やタモを手近に置けばまるでコックピットのよう。
水辺のあちこちに設置されていました。

木の板で出来た足場に、そうっと降りて座ってみました。
空と木々、やや乳濁した水面だけが目の前に広がります。

c0048685_20301329.jpgそよぐ風、時おり水面に現れ
広がっていく波紋・・・。
遠くに聞こえるウグイスの
声も、あたりの静けさを
より一層際立たせています。

俗世から隔離されたような、
水辺のちいさな陣地に
すっぽりと身を納めて、
誰にも邪魔されることなく
釣り糸をたれる1日・・・

太公望だからこそ味わえる
至福の時間がここにはあるのですね。


お気に入りマップに、またひとつ宝の在りかが記されました。
日だまりの中、ちいさな探検は続きます。
by glass-drop | 2006-04-10 11:00 | 旅・散歩