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波の伊八
暖かい春の陽射しに恵まれた昼下がり。
車を走らせ鴨川市の郷土資料館へ行ってきました。
「彫刻大工・武士伊八 〜その原点を探る〜」
という企画展の最終日が近づいていたのです。

「波を彫らせたら日本一」「関東では波を彫るな」
と世間に言わしめた江戸時代の宮彫師、
武志(士)伊八郎信由。別の名を「波の伊八」といいます。

躍動感にあふれ伸びやかな曲線で表現された伊八の波は
浮世絵師・葛飾北斎の作品に影響を与えたのではないか
という説があるそうです。

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*画像:千葉県 夷隅郡の行元寺にある初代伊八の波。
 北斎の「神奈川沖之浪裏」の構図がこれに酷似している。

今回の展示は、伊八がまだ19〜20才の頃に彫ったという
蟇股(かえるまた:寺院の装飾)等を中心に展開されています。
保存状態はすこぶる良好。彫り跡が生々しく残っていました。

後年の作品に比べ、まだ線にもたつきがある波がしらの描写。
迷いながらも懸命に形を探ったとおぼしき掘り跡。
見つめていると、若き彫師が真剣に作品を彫る姿が、
そして作品に込めた想いや気迫がありありと伝わってきます。
ふいに胸が熱くなるのを覚えました。

観覧後、海辺に立ち寄ってぼんやり波を眺めていました。

c0048685_042222.jpgたとえ時代は違えども
創る人が表現に対峙する時の
ありようは何ら変わるところが
ないんだ・・・

そして創る人の魂は
時を超えて生き続けることが
できるんだ・・・・

そんなことにしばし想いを巡らせていると、
腕を組み 寄せ来る波をじっと観察する若き彫師が
すぐそばに佇んでいる気配さえしてくるようでした・・・



*参考サイト【波の伊八美術館】
http://edo.ld.infoseek.co.jp/
初代〜5代目伊八の作品画像満載のウェブ資料館です。
by glass-drop | 2007-03-29 00:43 | ガラス・創る
初午の祭礼
暖かい陽射しに満ちた朝。
開け放した窓の外からテンツク テンツクと
和太鼓の音が聞こえてきました。

c0048685_15104785.jpgベランダに出て眺めると、
万祝(まいわい)や
はっぴをまとった男たちが
小さな山車を引き、
路地を廻っているのが
見えます。

「御祭礼」の提灯が下がった
家の前で立ち止まると
太鼓のリズムが変わり
獅子舞いが始まりました。

町役場の裏手にある公民館で 催しものがあると聞き
散歩がてら見物しに行ってみました。

c0048685_15115939.jpgこの派手な色彩のタワーは
纏(まとい)かな?
祭礼に華やかさを添える
カラフルな花のお飾りは
何層にも束ねた薄い紙で
出来ています。

やきそばやお面など
数件のテキヤも並んで
祭りの気分を盛り上げて
くれました。


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ホールではお囃子に合わせ次々に踊りが披露されました。
化粧を施され着飾った少年が踊りながらミカンを投げ始めると
座り込んでいたお年寄りたちが手をいっぱいに伸ばし
夢中になって受け止めようとします。

見事ミカンを手にしたおばあちゃん、
ニコニコ嬉しそうにはしゃいでいました。

c0048685_15143183.jpg春の陽気に咲いた小さな祭礼。
のどかな和太鼓の音は
海沿いの集落に薄暮が
訪れるまで響いていました。
by glass-drop | 2007-03-05 15:15 | 旅・散歩