カタクチイワシ

大潮の朝。
干潮の海辺に残された浅い潮だまりに、魚の群れを見つけました。
背中はまるで南洋の小魚のように鮮やかな青緑に輝いています。
細く華奢な体。体長はだいたい13センチほどでしょうか。

ビーチサンダルの足で潮だまりに忍びこむと、あわてた魚たちは
なぜか浅瀬へ突進し、砂の上に乗り上げてしまいます。
さっと手を伸ばしてむんずと掴めば、意外なほどにあっけなく
その細い体を捕えることができました。

c0048685_2331293.jpg改めて手の中の魚に目をやると、どこかで見た事がある顔つき。ポロポロこぼれる銀色の丸いウロコ。カタクチイワシです。
しばし夢中になって追いかけ、十数匹を捕まえることができました。


「今の時期になるとイワシの群れがこのあたりの海に来るのよ。
 昨日も港の近くに来てたから、皆な網を持ってすくい取ってたわ。」
腰まで水に浸かってテングサを取っていたおばちゃんが言いました。

「イワシの大群がやってくるとサバもよく取れるようになる。
 イワシはサバの好物だから、追っかけて一緒にやってくるんだ。」
と、バケツとタモ網それぞれをイワシでいっぱいにしたおじいちゃん。

翌日の干潮時もまたカタクチイワシは同じ潮だまりにいました。
そして今日も。今度はけっこうな数です。
タモ網を用意してきたので短時間のうちにたくさん捕まえることが
できました。その数おおよそ120匹・・・!

c0048685_2344717.jpgこれだけの数のイワシ、酢漬けや唐揚げにするのも良いのですが、今回は自家製のアンチョビを作ってみることにしました。
ウロコと皮を取って、スプーンで3枚におろして、塩をまぶして・・・数が多く細かい作業、手先が冷えることもあってなかなか大変。けっこうな時間がかかりました。

下ごしらえを終え外を見ると、海はもうかなり満ちてきていました。
沖合いにはたくさんの海鳥たちが水面すれすれに飛び交っています。
あの下には多分イワシやサバがたくさん群れているのだろうな・・・

豊穣の海は季節ごとに違った顔を見せ、飽きることがありません。
ガラスびんに詰まったイワシが美味しいアンチョビに変わる頃、
今度はどんな海の幸をもたらしてくれるのでしょう。楽しみです。
by glass-drop | 2005-05-25 23:12 | 自然