彼岸

夕方のやわらかい陽射しがあたりを包んでいます。
空気はサラリと涼しくほのかに秋の匂いがします。
そんな9月の海辺で、久しぶりにガラス拾いをしました。

役目を終えて海辺に捨て去られたガラスたち。
少しずつ波に砕かれ、水の中へと運ばれて行きます。

c0048685_2042275.jpg潮と砂に
何度もゆっくりと
洗われ やがて
くぐもった
柔らかい色を
まとっていく・・・

ガラスのかけらたちは、寄せては返す波に翻弄され
軽くぶつかりあい、シャラシャラと優しい音をたてています。
その中に、まだ形を留めている古いおはじきが混ざっていました。

かつては子供たちと一緒に楽しく遊んでいたであろう彼も
今はただ波の動きに身をまかせ、かすかな音をたてているだけです。
そっと拾い上げ天にかざすと、海の色に似ていました。


波にその身を削り、少しずつ小さくなって行くガラスのかけらたち。
その優しく透んだ音は、願いのコトバなのかもしれません。

「いつか海の水へ 溶けていけますように・・・」
by glass-drop | 2005-09-20 20:34 | おきにいり