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続 パイパティローマ その3

花蓮

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日本が台湾を統治していた時代を知る世代には日本語会話が出来る人が多い。

台東のタクシー運転手、孫と散歩中のお爺さん、靴磨きのおじさん、蘭嶼島の土産物店主・・・

花蓮(ファーレン)の旧火車站(駅)近くにあるこの小さな宿の女将もその1人だった。


女将とひとしきり雑談をし、部屋へ荷物を置く。

露店で買ったパパイヤを食べ、少し休んでから散策に出かけた。

無機質な防波堤に仕切られた花蓮の海岸線。

その防波堤の内側の、何の変哲もない静かな住宅地をただ歩いた。

民家の玄関を覗くと、赤々とした道教の祭壇が鎮座していて、ああ、やはりここは日本ではないのだなあと実感する。



日が傾く頃、市街地へ。食堂に入って牛麺を食し、スーパーやドラッグストアなど様々な店を冷やかし歩いた。

店の看板や商品のパッケージには漢字とアルファベットの中に時折ひらがなも点在する。

今もなお親日的である様子がそこかしこで見られた。



歩き疲れて宿に戻り、シャワーを浴び、テレビを点けてベッドに身を投げる。

窓の外に見える広場には夜市が立って煌々とした光を放っている。

が、出かける体力はもうなかった。

ブラウン管には東京のそれと大差ないテンションのバラエティ番組が流れている。

そのかしましさをぼんやり聴きながら徐々に眠りへと落ちていった。


(続く)



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台湾の花蓮で起こった地震に驚いています。

被災した方々の心身の回復、街の復旧作業等がスムーズに進みますように。






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by glass-drop | 2018-02-14 22:00 | 旅・散歩

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